「ふーん。北城、ただのバカだと思ってたけど意外とよく見てるんだな。」

「あたしそんなにひどい顔?」

ぶはぁと、まなみが吹き出す。
ひどーい。
まあまあと、まなみが冷たいタオルをくれる。

あれから、砂原王子に部屋までおくってもらった。
校内きっての王子にちっさなフランケンが付き添われて歩いているのだから、大注目を浴びたが誰もその異様さに声をかけられなかったらしい。
砂原王子は男子禁制の女子棟にも堂々と入って行って、まなみと何か話し込んで帰っていった。

「砂原王子に告白されたんだって?」

「え?なんでそれを?」

「本人からきいた。」

「まなみ…、なんか…ご、ごめん。」

「いいよ。分かってたし。」

「え?」

「返事はくるみの思うままでいいんだよ。」

「う、うん。」

あたしはあることを思い出した。