「羽柴、心配してるみたいだったんだけど。」


「はー?司って意味分かんない。人のことさんざんに言いたい放題なのに。」


「なるほど。」

砂原王子は、あたしの顔を見つめると。


「やっぱり、早瀬さんは、かわいいよ。」

そう言い残して職員室を出て行った。

「???」
幻聴がひどくなったのだろうか?



だいぶ遅くなったが、体育館に向かう。
近づくと「キャーッ!!」という大歓声が聞こえて来た!

何事かと体育館をのぞく。

「くるみ!こっち。」

まなみが手招きする。

「なに?何事?」

「王子と、幼稚園児が練習試合してんの。ね、ね、一緒に王子を、応援しよ。」

「う、うん。」

砂原王子のサーブに、レシーブ、アタックが決まるたびに、黄色い声があがる。