「あんなやつやめなよ。」

「夏目さんは羽柴に容赦ないな。」

「なんかひどくい。優しくしたかと思えば突き落としたり。そのたびに振り回されてて見てられない。」

「同じく。…じゃあ、わかってくれるかな?」

「…。」

まなみは砂原王子をしばらくみつめる。
それから、小さく息を吐くと笑顔をみせた。

「わかった、さきに帰っとく。じゃあね。」

「ありがとう。」

まなみは小さく手をふると、くるっと背を向けると行ってしまった。
あたしはよくわからないまま、困って砂原王子を見上げた。
そこには、優しい顔の砂原王子がいてとまどってしまう。