「安藤さん。大丈夫?」

砂原王子は彼女を心配そうに声をかけながら、木札をわたす。
彼女は恥ずかしそうにうなづく。

「肝試しこわくて動けなくなったらしい。」

「もう大丈夫だから。」

そう言いながら彼女はよろける、司があわてて両手でささえると、彼女はあたしにみせつけるかのように笑いかける。

「とりあえず女子棟まで送ってくるから、悪いけど撤収たのむな。」

「えっ。」

「もうすぐ北城たちも戻ってくるからよろしく。」

司は言うだけ言うと、彼女を抱きかかえるように宿泊棟へむかって歩いていく。
あたしはただその後ろ姿を見つめていた。