「ねー。司、思いのほか誰もこないんですけど。」

「そりゃまだ始まったばっかだし、ここは最終チェックポイントだからな。」

「でも、突然こられても怖いんですけど。」

「大丈夫だって、北城んとこでギャーって聞こえてくるから。」

とうとう肝試しが始まった。
あたしは司といっしょに、最終のチェックポイントで待っているのだが、なかなか退屈。

「ね、なんで、この木札わたすの?」

「全員ちゃんと帰ってきたかすぐ確認できるだろ。そんで明日、願い事書いてキャンプファイヤーで燃やす。」

「なるほど。で、司は何て書くの?」

「くるみの背が大きくなりますように。かなぁ?」

「うっさい。余計なお世話。」

本当はなんて書くのかな?

そう思ったとたん、「キャーキャー。」と悲鳴が聞こえてきた。
予想通り、フランケンがんばってるようだ。

「……。」

司は何か答えたけど、それは悲鳴にかき消されてしまった。