「オイ!どんぐり」


後ろから聞き飽きた声がした。
朝から、わざわざかいっ。

あたしは、ちっさく舌打ちした。
声の主は、わかってる。
アイツ。


あたし、早瀬くるみ。
15才。
高一。
やっと、高校生活にも慣れ、花粉症ともお別れできたすかすがしい五月晴れの朝だというのに。