「っくしゅん!」



大きなくしゃみをした後、青い空を見上げる。
ツン、と鼻に指すひんやりとした風
乾いた太陽の光が私を包み込む。



あぁ、冬だなぁ。
と感じるこの頃、私には受験が控えていた。




学校へと向かう生徒に混じり、1歩一歩前へ向かう。

校門を抜け、校舎…



「おい、野瀬!」


と、学年主任の大本に止められた。


「なんですかーこんなに寒いんだから止めないでよ。」


「なんだ、そのスカートの短さは!
それに、寒いなら丈を長くしろ!」


「長くしたところで変わりません。
私髪の毛、黒にしたから許してよ!」


私はダサいことが大嫌いだ。
だからと言って、普通に良い高校には進学したいしヤンキーでもない。

ただ、オシャレがしたいんだ。



「高校行けないぞ!」


その言葉に、ピクリと耳を立てた。


「成績下がりますか?」


「あったりまえだ!」



…仕方ない、と私は4回に折ったスカートを戻した。



「よし、行きなさい。」


大本の野郎ぉ〜!と内心の怒りと裏腹に、ニッコリ微笑み


「毎朝ご苦労さまです。」


と、一礼して校舎に入った。