「咲坂。実は俺、前からずっとお前のことが好きだったんだよ。」

えっ!?

ドキンっ!!

久瀬くんが、私のことを『好き』!?

う‥‥ウソ!?

そう思い、私が返事をしかけた時、

ジリリリリリリリッ!!

無情にも、私の目覚まし時計が鳴った。

「‥‥なんだ。夢か‥‥。それにしてはヤケにリアルだったなぁ。」

夢でも役得かな❤

私は、そう思っていた。

だが、現実はそう甘くない。

私は、その『数時間後』に、思い知らされることとなる。


「咲坂。」

教室にきた私に、久瀬くんが突然、声をかけてきた。

それだけで、私の胸がドキンッ!!となる。

だけど、それを気取られないように、

「ん?久瀬くん、何?」

平静を装い、返事をした。

「実は、俺、『彼女』がデキたんだ。」

と、久瀬くんは、照れたような笑い顔をして、嬉しそうにそう告げた。

えっ!?

‥‥う、ウソ!?

久瀬くんに『彼女』が‥‥‥‥。

それだけで、胸がズキリッ!!と痛む。

私は、ショックのあまり、しばらく放心状態だった。

「咲坂?おい、どうしたんだよ?」

「えっ!?あぁ、な、何でもない‥‥。」

私は、一気に現実に引き戻された。

久瀬くんに『彼女』。

私は、ショックだった。

「咲坂に、今度、紹介したいんだけど、時間ある?」

「‥‥う‥‥ん‥‥‥。」

私は、それだけ返事するのが、精一杯だった。

『失恋』決定だ‥‥‥‥。