「…………っ…!!」


やっぱ、足に響くっ…。


普段の俺ならこんな差、余裕で追い越せんのに…!


そやけど、なかなか足が言うこと聞かへんっ…。



もうすぐ半周が終わろうとするとき、ふと観客の中にちんちくりんなコが目についた。


…ひなちゃんやっ。

心配して、観にきてくれたんか…。


…これは絶対、格好悪いところは見せれへんなっ。


俺は足の痛みを我慢して、走り続ける。