次に黄組。


女の子が涙ぐみながら、俺にバトンを持つ手を伸ばした。


「…ごめんっ」


女の子は、一言そう言った。


「気にすんな」


俺は、砂まみれのバトンを受け取った。


“お前が歩いてでもゴールできるように、俺たちが引き離しといてやるよっ”


…どうも、そんな楽はできひんみたいやわ。


俺はバトンを握った瞬間から、全力で走った。


…ズキズキッ!!