まさかひなちゃんに、俺の作戦を気づかれたか…?


あの“鈍感”なひなちゃんに。


「いってらっしゃ~い!」


俺が手を振ると、怪しそうに俺を見ながらも、ひなちゃんは保健室を出て行った。


ふー…、危ねぇ危ねぇっ。

…さてとっ!


俺は上靴を履くと、保健室から廊下を見渡した。


ひなちゃんは廊下の角を曲がり、見えへんくなった。


周りに人はおらん。