「お前、もうちょいやる気出しぃや」

「なにを?」

「なにをって、競技にや!」

「えー。だって、走ったら汗かくじゃん。そうなったらメイク落ちちゃうじゃん」

「体育祭やねんから、走るのが当たり前やろー」

「ガチで走るとか、暑苦しくないっ?」


美姫は、キャハハと笑った。


俺は体育祭が大好きやから、美姫の言葉には呆れるしかなかった。


所詮、美姫はこんなもん。