「ひなちゃん、記念に写真撮ろーっ♪」

「…え?べつにいいけど…」


桔平くんは徐ろに、ズボンのポケットに手を突っ込むと、携帯を取り出した。


「笑って~!」


と言われても、桔平くんがあたしの肩に手をまわして、顔が近すぎて笑えない…。


「ハイ、チーズっ!!」

…カシャッ!


たぶん写真の中のあたしは、ぎこちない顔をしているに違いない。


「桔平…てめぇ、ひなから離れろーっ!!」