トラック内で桔平くんの姿を探したけど、観戦する人が多くて人の隙間からしか様子が窺えなかった。


それに、ついつい手に汗握るリレーに目を奪われてしまう。


バトンは、長谷川くんから最後の女の子の走者へ渡された。


2位の青組や黄組との差は、半周ほど開いていた。


あの女の子がアンカーに繋げば、ぶっちぎりで赤組の勝利だ。


と、だれもが思っていたそのとき…。