あたしは小銭を持って、保健室を出ようとした。


…が、一度桔平くんを振り返る。


突然ジュースが飲みたいなんて言い出したので、妙になにかが引っかかった。


「いってらっしゃ~い!」


桔平くんはニカッと笑って、手を振っている。


…その笑顔がどこか怪しすぎた。



胸騒ぎがしたあたしは、ジュースを買うとすぐに保健室に戻った。


しかし…、そこには桔平くんの姿はなかった。