「…あたし、彼氏いるのに……」

「そんなん関係ないやん!チューなんか、コミュニケーションの1つやって~!」


悪びれもなく笑う桔平くん。


あたしがこんなに、どぎまぎしてるのも知らずに…。


その余裕のある桔平くんの笑みに、余裕のないあたしは少しだけムッとしてしまった。


だから、消毒液に浸かった綿をピンセットで摘んで、桔平くんの顔の傷に押し当ててやった。