「…は、はい」


一応、恥ずかしがってたつもりなのかな?


それもそうかっ。

その歳になっておんぶなんて、めったにないもんな。



秋月さんを背負って下山するが、雨は一向に止む気配がなかった。


「こんな雨の中、ケガするまで探し回るとか…バカじゃね?」

「…ごめんなさい」


俺の耳元で、申し訳なさそうな声が聞こえる。


「でも、まっ、お守りは見つからなかったけど、がんばったじゃん」