口をポカンと開ける秋月さん。


「足、ケガしてるだろ。おんぶするから、早く乗って」

「…いいの?」

「早くして。俺、とっとと帰りたいから」

「…ご、ごめん」


秋月さんはおどおどしながら、俺の背中に密着した。


立ち上がると、意外と軽かった。


しかし遠慮しているのか、俺の首に手をまわそうとしない。


「首に、両手まわしてもらえないかな?不安定で歩きづらいんだけど」