「ひなちゃん、顔上げてみ」

「やだ…」

「だって、鼻水出てるで?」

「…ウソっ!?」

「ってゆうのは、ウソでしたー。鼻水なんか、出てへんよ!」

「も〜…」


ひなちゃんから鼻水が出てたら、せっかくのかわいい顔が台無しやし、即拭くわっ。


でもこの冗談に引っかかって、ひなちゃんが顔を上げた。


目には、落ちたマスカラと伸びたアイラインの跡があった。