「ひな、目つむってみっ」

「え?」

「いいから」


あたしは言われた通り、目をつむる。


「こっち!」


そうして絢斗はあたしの手を握り、前に進み始めた。


…ちょっ。

目をつむりながら歩くのって、けっこう怖いんだけど…。


そのあたしの不安を握る手から読み取ったのか、絢斗はあたしの肩に手を置き、ゆっくりと歩いた。


あたしが小石につまずいて転びそうになっても、すぐに支えてくれる。