だって絢斗、運転荒いんだもん…。



そして、あたしを乗せた絢斗の単車を先頭にして、ほかの単車も走り出した。


「ねぇ、どこまで行くのー?」

「ちょっとしばらく走るかな?」


エンジン音と吹き付ける向かい風とで、絢斗の声が聞こえづらい。


絢斗が“しばらく走る”と言った通り、単車は走り続けた。


徐々に山が近づいてくる。


まさか、あの山に上るつもり…?