「あたしの家の辺りって、走ってる?」


今まで18年間、暴走族に睡眠を邪魔されたことはない。

むしろあたしの家の周りは、毎晩静か。


けど、黒龍ってそんな大規模なグループなら、あたしの家の近くをうるさく走っていてもおかしくはない。


「ああ、それは…」


すると絢斗は、意外なことを口にした。


「ひなん家から半径5キロ以内は、侵入禁止にしてるから」