「兄ちゃん、すっげー!!」


咲斗と翼がひょっこりと顔を出す。


「あっ、翼!今までどこ行ってたのよっ」

「なんか危ねぇ雰囲気がしてたから、咲斗と物影に隠れてた」


まったく…。

真っ先に実の弟である、あんたが助けにきてよねっ。


翼とは違って、年上の相手に対しても怯むことなく、あたしを守ってくれる絢斗。

これが、初めてではなかった。



あれは、あたしが小学3年生のころ…。