「じゃっ…!」

「…ちょっと待って!!」


逃げるように立ち去ろうとする笹野くんを、あたしはとっさに呼び止めた。


「今の…、生徒の連絡先じゃないの!?」


かわいいピンクのメモ用紙に書いてあった名前は、明らかに女の子のものだった。


「もしかして、そのコと連絡取る気…!?」

「べつに、なんだっていいじゃんっ」

「よくないよ!あたしたちは、先生になるために教育実習にきたんだよ…!?」