勇気を振り絞って、自ら声をかけてみた。


お願いだから、早く帰って…。

これが、本音。


すると、笹野くんが振り返った。


「じゃあ、そうする」


意外と、すんなりと受け入れてくれた。


笹野くんも、あたしと同じように色紙と花束を持っていた。


裏では、先生として失格な人間でも、表では貴公子的な先生を演じ通した。



「…それじゃあ、お疲れ様」