「…けど俺、ひなちゃんのことが…」

「それはわかってるー!だから、“振り向かせてみせる”って言ってるんでしょ!」

「美姫…」


いつもと変わらない美姫の表情。

張り詰めていた空気が、一瞬にして緩んだのがわかった。


ほんまにこいつは…。

気も強いけど、心も強いヤツやで。



「…でも」

「ん?」


下唇をキュッと噛み、口ごもる美姫。


「…美姫のこと、“汚い”…って思ってる……?」