そして、俺がいる反対の方から、美姫が走って行くのが見えた。


俺は、すぐに美姫のあとを追った。



「…美姫!!」


俺は、B棟の裏にある駐輪場で美姫に追いつき、腕を握った。


「桔平っ…」


なんでここに…とでも言いたそうに、驚いた顔を見せる美姫。


涙でマスカラが取れて、アイラインが滲んでる美姫の目。

美姫はいつも完璧なメイクやったから、化粧が崩れた顔は初めて見る。