今までに聞いたことのない、美姫の泣きじゃくる声が響く。


俺はその場に突っ立って、動けずにいた。


…めっちゃ胸が締め付けられた。

“結ばれへん恋”の辛さは、俺も理解できるから。



どれくらい経ったやろうか…。

体育館裏に響いてた美姫の泣き声が、ようやく止んだ。


「美姫ちゃんっ、どこに…!?」

「…どこだっていいでしょっ!!」


そんな声が聞こえた。