そんなひなちゃんに、俺は無我夢中で駆け寄った。


まだ状況をよく把握できひんひなちゃんは、呆然な顔を見せる。


「…いってぇ」


笹野先生は、絢斗に蹴られた脇腹を押さえながら立ち上がった。


絢斗は、ひなちゃんと笹野先生との間で立ち塞がる。


「ひなにキスしたり、乱暴したり…、お前一体なに考えてんだよ!?」


ひなちゃんと同じように、この状況を把握できてへんのは、絢斗も含めた俺らも同じやった。