「ひな~っ」


そのとき、顔を洗った絢斗が部屋に戻ってきた。

ちょっとでも遅かったら、絢斗に見つかってるところやった。


けどひなちゃんのおかげで、めっちゃいい目覚めになった。



9時、ゲレンデ。

昨日はいい天気やったのに、今日の空は灰色の雲に覆われ、雪が散らついてた。


「さっそく山頂行こーぜっ!」


やる気満々の絢斗は、すぐさま片足にボードをつけた。