ひなちゃんも目一杯手を伸ばす。


しかし、その間に涼が割って入った。


「秋月さん。それくらい1人でできなきゃ、なにも始まらないよ」


厳しく聞こえるかもしれんけど、…ここは涼が正しい。


「スノボーなんて、転けて当たり前なんだから、そういうときに1人で立てないと、意味ないからね」


涼の言う通り。

ボードを足につける次に、ボードをつけたまま立ち上がれへんかったら話にならへん。