「当たり前のことやし、お礼なんかいらんって!」


ひなちゃんの笑顔に、俺は本気で照れてた。



まだ日が昇らへん時間やから、外はめっちゃ寒かったけど、ホテルの中はあったかかった。


ロビーのオレンジの明かりも、温かい雰囲気をかもし出している。


「4人で予約している、長谷川です」

「長谷川様ですね。こちらがお部屋の鍵になります」


涼はフロントで、607と書かれた鍵を受け取った。