出した手は、どっちもパーやった。


「「…あいこで、ホイっ!!」」


それから、何回もあいこが続いた。

なかなか勝負がつかへんくて、手に汗が滲んだ。



そして…。


「勝った~!!」


ガッツポーズをして喜ぶのは、絢斗。


俺はまたしても…、チョキで負けてしもた…。


旅行は、バスの中も楽しいはずやのに、俺は行きも帰りもひなちゃんの隣を座れずじまい…。