「ふ~んっ。抜け駆けで、ひなをデートに誘うつもりだったんだ~」


絢斗のその微笑みが、ある意味コワイ。


こいつ、ほとんど学校こーへんくせに、こうゆうときだけはいるんやから…。


「“前の約束”ってなに?」


当然、絢斗の尋問が始まる。


「ええやん、なんでも…!」

「へ~。俺にシラを切るつもりなんだっ」


俺が背中を向けると、その俺の手から軽々と絢斗が携帯を取り上げた。