しかし、加害者は自分であるため、断ることなんてできる状況ではなかった。


「絶対、イタズラなんかで連絡しないからさ!」

「…わかりました」


その男の言葉を信じ、由香里はメモに連絡先を書き込んだ。


こうして由香里は、その男と、念のために助けに入った女に携帯の番号を教えたのだった。


男は20代後半から30代前半くらいで、長髪の黒髪を後ろで束ねている。