「俺が元気なんだし、警察なんて呼ばなくても大丈夫大丈夫!」

「ですが…」


なぜか、被害者である男が、勝手に物事を進めている。


ほかに、なにかいい方法はないかと考えていると…。


「じゃあさ、連絡先を教えてよ!」

「…えっ!?」

「まぁ大丈夫だとは思うけど、もしなにかあったときのために!」


由香里は、一瞬躊躇った。

被害者とはいえ、見知らぬ男に連絡先を教えることには、かなりの抵抗があった。