由香里は、その男に深く頭を下げた。


幸い、男も軽い擦り傷で済んだからよかったものの、もし気づくのが遅ければ、当然そんな傷では済まなかっただろう。


思い返すと、ゾッとした。


「…で、でも。一応、警察に連絡した方がっ…」


そう言い、由香里はバッグから携帯を取り出した。


すると…。


「あーーー!!Lipsの由香里チャンだっ!そうでしょ!?」