「あなたも大丈夫ですか…!?」


そして、その男は痛がるどころか、由香里の身を心配して駆け寄ってきた。


「…あ、はい。私は大丈夫です……」


由香里は、ぶつけた額が少し痛むくらいで、あとは無傷だった。


「それよりも、あなたの方がっ…」

「俺は大丈夫ですっ。なんともありません!」


その言葉を聞き、由香里はようやく安心した。


「でも…私の不注意で、本当に申し訳ありませんでしたっ…」