「指名?そりゃもちろん、マー…」


この店で、“マナ”と名乗っている秋月さんを絢斗が指名しようとすると、なぜか桔平が止めた。


「なにすんだよ?」


口を塞がれ、軽く桔平を睨みつける絢斗。


「もしかして、あれってひなちゃんちゃう?」


桔平の指差す方を見てみると、そこには少し髪を盛った、水色のドレスを着たキャバ嬢がいた。


ちょうど顔は見えないが、あの背丈は間違いない。