「やっほ~!」

「絢斗が遅刻しないなんて、珍しい…。だから、今日は雪なのか」


家を出る前、テレビのニュースで『初雪』だと言っていた。


「うっせーなっ。俺だって本気を出せば、遅刻なんてしねぇっつーの!」


じゃあ、いつも本気を出してほしい。



「よし、行くか!」


と、絢斗が腰を上げたとき…。


「お~い、絢斗っ!」


後ろから、絢斗を呼ぶ声が聞こえた。