絢斗がここで、ハッとした顔をした。


「どうしたん、絢斗?」

「今思い出したんだけど、前に親父が、ひなを見たっつってたんだよ」

「ひなちゃんを?どこで?」

「それが…」


いつも遠慮なくズバズバと言う絢斗が、なぜか今日は口ごもる。


「だから、どこで見たんだよ?」


なかなか答えようとしない絢斗に痺れを切らして、俺は自分から尋ねた。


「聞いて驚くなよ…?」