「綾〜待てって!」

俺は後ろから姫川に抱き着き、肩を抱いたまま隣を歩く。

「びっくりした〜。後ろから抱き着かないでって言ってるのに…」
「そう怒んなよ。綾、何が食べたい?」
「え、僕は…ドーナツ食べたい、かな」
「ドーナツな。美味いドーナツ屋あるけど行くか?」
「いいの!? 行きたい!」

姫川の肩に置いていた手を姫川の前に差し出す。

「?」

姫川は意味が分からず俺を見上げている。

「手、繋ごうぜ?」
「う、うん///」

姫川はすぐ顔を真っ赤にする。