――― 放課後。
詩帆とサヨナラをして、私はマイホームへ向かう。
マイホームといっても実家じゃなくて、私が借りてるちっさいアパートなんだけれど。
ガチャッ
鍵穴にカギをさして、ドアを開けた。
シンとした室内が少し寂しく感じるのは、きっとまだ慣れていないからだろう。
カバンを部屋の隅のほうに放り投げて、ベットに体を投げ出した。
真っ白い天井をただボーっと見つめていると、なんだか瞼が重くなってくる。
一つ上の姉が、大学に進学するとともに一人暮らしをするといったから、「じゃあ、私も。」と一人暮らしを希望したのは、高2の終わりだった。
まだ早いだろうと親には反対されたが、「大学に進学する前の予行練習」として、やっとの思いで許してもらえた。
それでも最後の最後まで反対していたのは、やはり姉貴だった。