――― 鬼に金棒。『通称・オニカナ』。



詩帆と私につけられた、裏のコンビ名。



高2の春、この高校に転校してきた私 ・ 高城ななみ は、この『鬼ヶ島』と呼ばれる屋上で、鬼女・海塚詩帆 と出会った。




「...アンタ、怖くないの?」



「なにが?」




真顔で答えたそんな私の一言が、詩帆の胸にキタらしい。


それからというもの、自然な流れで徐々に距離が縮まっていき、今となっては詩帆が私の『相棒』的存在の、大親友となっている。