「おっす〜」
そんな軽い調子で入っていった店長の後ろに隠れるように続いて入る。

中にはコックコートを着た男の人と、
ホールの制服だと思われる黒い上下を着た男女の3人がいた。
黒い制服の男の人は煙草を吸っている。

「今度入った新しい子。来月から働いてもらうよ~」
相変わらず軽い調子は変わらない店長。

「来月から入るオガワリツコです。よろしくお願いします」
大切なのは第一印象。
しっかり挨拶しないと。
そう思った割にか細い声が出てしまった。
人見知りなんだから。


「よろしくお願いします~」
「よろしく!」
「よろしく~」


みんなぺこっと会釈をしてくれた。
大丈夫大丈夫。
みんないい人そうだし。


「じゃ、俺仕事戻るから、ヨシダ、オガワさんに書類の書き方教えといて」
店長はコックコート姿の人に声をかけて出ていってしまった。
人見知り、ピンチ。
いきなりはじめましての人3人の中に放置される。
いくらこれから一緒に働く人とはいえ、3対1は厳しい。
厳しいよかなり。

内心焦るし、休憩室があまり空調効いてないしで汗が出る。


ヨシダと呼ばれた人がこっちを向く。

「ま、とりあえず座ろうか」
「は、はい・・・」