「あ〜、小河さんね。ちょっと待ってて、店長呼んでくるから」

平日の21時台。
訪れた居酒屋はほんのり暗くておしゃれな雰囲気。
この間面接に来た時は昼間だったからこんな感じじゃなかったな。

レジにいたバイトのお姉さんと思しき人が、店長を呼びに行って帰ってきた。
面接をしたのと同じ人、江東さんだ。
30代半ばくらいの、色黒の、昔ヤンチャしてたっぽいおじさん。

「こんばんは〜、じゃ契約書とか諸々、休憩室で書いてもらうね」
「は、はい」

言われるがままに、店の休憩室へ案内された。