「もうっ!!ほんとになんなの!?」

教室に一番乗りで帰ってきた私の机にはまたあの人形があった。

「なんなの…この人形。」

「誰なの!?この人形をわざわざゴミ箱から持ってきてうちの机においてるの!ほんとにやめてよ!」

どんどん教室に入ってくるみんな。
でもその様子はいつもと変わらない。

「ねぇ…ちょっとまって…。」

いきなり芹香が声をかけてきた。
その顔は真っ青で何を言おうとしてるのか私に緊張がはしった。

「な、なに?」

「うちらが音楽室に向かおうとした時、この教室にはうちと美優しかいなかった。」

「うん…。」

「そしてさっき。うちと美優は一番乗りで教室に入ったよね。って言うことはクラスのみんなに美優の机に人形を置くのは…不可能だと思う…。」

「じゃ…じゃあ誰が…。」

「この人形が…勝手に…動いた…?」

「そ、そんな訳…。」

だんだん怯え始める芹香。
でもそれは私も同じだった。

「おい!何だよこれ!」

急にクラスの男子が騒ぎ始めた。

「え!?何!?」

その男子は扉を開けようとしている。
でも扉はびくともしない。

「まさか…。」

「扉が開かねぇぞ!!」

そう言った瞬間クラス中が混乱し始めた。

「え!?どうゆうこと!?」

「何であかないの!?」

「窓は!?」

「窓も開かねぇ!!!」

焦り始めたクラス中のみんなは必死に外に出ようとした。

その時ー。