私は、素直に、指示に従った。
痛いけど、傷口を自分で抑えて、
心臓より、高いところに腕を持って行った。
何気なく、玲くんや、お兄ちゃん、亜子の方を見ると、
玲くんは、唇を噛み締めていて、
泣きそうになっている、
「玲くん、」
声をかけると、ゆっくりと顔を上げた玲くん、
「唇噛み締めちゃダメ、
玲くんは、悪くないよ
自分を責めないで、
それでも、責めるなら、私のこと、
一生大事にしてくれるなら、
許してあげる、」
と、笑いかけた。
玲くんは、その言葉にうっすらと涙を浮かべ、
「当たり前だ。」
と、笑いかけてくれた。