──バタバタバタバタ 「翔真うるせー!静かにあがれ!」 ───ガチャッ、バンッ!!! 「翔真ぁ!!!!」 下の部屋から、兄貴の怒る声が聞こえる。 そんなことはどうでもいい。どうでもいいんだ。 俺がバタバタうるさく階段を登ろうと、勢いよく自分の部屋のドアを閉めようと、そんなことはどうでもいい。 ……やってしまった。 岩堀に…キスしてしまった。