カウンターを出て、お金を拾うのを手伝ってくれる叶都くん。




「あぁ、もう。
ホントにおっちょこちょいなんだから」



「ごめん……」



「大丈夫。
そういうとこもかわいい」




へへっと笑う叶都くんに、胸がほっこりした。



叶都くんは爽やかだから、かわいいとか言っても自然っていうか。



チャラくはない。



どちらかというと、社交辞令って感じ。




「叶都くん、ありが…」



「店員、
レジ早くして」




叶都くんにお礼を言おうとした時、



後ろから、清水くんの声が聞こえた。




「こちらのお客様のお会計中ですので、
少々お待ちください」



「……早くして、邪魔」




放たれた言葉は、私に対してだからか、とても刺々しい。



……どうして清水くんは



こんなにも、冷たくなってしまったんだろう。